[p.1255][p.1256]
思誠堂筆記

にきび
あなかたはとみゆるものは、御はなヽりけり、さきのかた少したりて、色づきたる、〈末摘花本文〉今按、和名雲、皶鼻、野王案皶、〈音砂、和名邇岐美波奈、〉鼻上皰也、俗に石榴鼻といふこれなり、にきみは、同和名雲、唐韻雲、痤、〈昨禾反、和名邇岐美、〉小〓也、つねに、にきびといふ物なり、赤くして、こまかに、つぶ〳〵と出る物なれど、 丹黍( にきび) といふ義なるべし、〈源註拾遺〉