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病名彙解

禿瘡( とくさう) 俗に雲しらくぼのことなり、禿は、字書に無髪なりとあり、かぶろとよめり、瘡にて髪ぬけ、かぶろのやうになる故なり、従人上象禾、除錯が雲、人の髪繊長ならずして禾稼の若なればなり、入門に雲、禿瘡初て起る、白団斑剥して癬のごとく、上に白皮ありて、久しきときは痂おなし、遂に満頭に至り、瘡お生ず、中に膿孔細虫ありて、裏に入て痛まず、微く痒、久きお経て差ずと雲り、是は白禿瘡なり、又赤禿瘡と雲は、虫髪お食ひ、禿落して白痂なく、汁ありて、皮赤して痒なり、