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瘍科秘録

痣黶
痣黶は俗にあざと称す、是は先天の遣毒と見へて、生れながら発してあるものなり、初は至て微しく蚊刺たるほどのものも、日お累子月お積むときは、漸蔓延して闊大になるもの也、初生の児は得と改て、若し 痣( あざ) のあるものは、速に治法お施すべし、痣に赤黒の二証ありて、赤痣は臙脂お 抹( つけ)たるやうに赤く発するなり、