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類聚名物考
病痾一
瘤 しひね
これは皮肉間の熱気によりて、にはかに腫いだして、ちさき物の出来しが、よう〳〵大きくなりて、贅の如くにて、痛まずかたからず、俗に水ぶくれなどいふの類ひなり、瘤も 古布( ○○) とよめども、ここにては急に出来て、またそのまヽ愈る事も有る故、贅と同じからず、明月記に之井ねと書れしは、仮名たがへり、又栄花物語にも有り、