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瘍科秘録

癭瘤 〈気癭 筋瘤 骨瘤 血瘤 肉瘤 粉瘤 脂瘤 胎瘤 髪瘤 虱瘤 蛔虫瘤〉
癭お陽証として六腑に配当し、瘤お陰証として五臓に配当す、故に六癭五瘤の目あり、是は五積六聚の類と同論にて、強て五臓六腑に配当して建たる名にて、五癭六瘤共に必ず有るに非ず、病源候論に癭お破るべし、針すべしと雲、瘤お破るべからずと論ず、されば陽証の者は治すべく、陰証の者は治す可からざることは、古より已に其論あり、然れども癭に陰証にして治す可からざるものあり、瘤にも陽証にして治すべきものあり、故に余〈○本間玄調〉は癭と瘤とお論ぜず、先づ陰陽お弁じて、可治と不可治とお決す、