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病名彙解

楊梅瘡( やうばいさう) 俗に雲 とうがさ( ○○○○) 也、又黄豆の如くなる故に まめがさ( ○○○○) とも雲り、天行湿毒に感じて生じ、又色欲過度して毒気お腎肝の二経に畜へて、便毒となり下疳となり、後に此の瘡お生ずるもあり、又瘡お生じて余毒下疳となるもあり、猶も遊女より伝染すること多し、淫穢の気遊女の陰戸に畜てあるときに交れば、直に男子の腎中に感じて煩也、遊女は経水に其畜たる淫穢の気お通ずる故に、多くは病ざる也、此瘡の状が楊梅子の如くなるに因て名けり、或は綿花の如くなる故に 綿花瘡( ○○○) と名け、或は黄豆の如くなる故に 黄豆瘡( ○○○) と名け、或は魚疱の如なる故に 天疱瘡( ○○○) と名け、瘡肉が外へ飜り出る故に 飜花瘡( ○○○) と名け、豆の如くにして面に生ずるお 大風痘( ○○○) と雲、