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病名彙解

便毒 俗に雲、よこ子なり、按、外科正宗に横痃と名づく、されば、よこ子と名ること故あり、左にあるお 魚口( ○○) とし、右にあるお 便毒( ○○) とす、左右に生ずるお 騎馬癰( いばよう/○○○) と雲、又 跨襠( くはとう) の間いぬご処に生じ、ちいさきお 路岐( ○○) といへり、便毒と雲は、其便利せざる処に生ずる故名けり、指掌に曰、便癰は血疝なり、俗呼て便毒とす、其便利せざる処に生ずるが故なり、正宗に雲、それ魚便は左お魚口とし、右お便毒とす、すべて皆精血交錯して、両胯合縫の間に生じて結腫する是なり、近く小腹の下、陰毛の傍に生じて結腫するお名て 横痃( ○○) と雲、又 外疝( ○○) と名く是也、是房に入て、精お忍び、強固して洩さず、或欲念已にきざして停て遂ず、もつて精血走動し、凝滞結して腫おなすより生ずることなり、入門に雲、俗に便毒と雲、実は血疝なり、腿胯小腹の間に生ず、乃ち厥陰肝経及び衝任督三脈の隊、乃ち精気出入の路なり、