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有林福田方

消渇
論雲、夫消渇者水お飲て小便せざる是也、小便頻数と雖ども、而脂なくして 麪片( むぎゆ) の如くなる、此当消渇なり、食ものお喫ふこと多けれども、甚渇かはかずして、小便は少くして油あるに似て、数げき者は此消中なり、渇て 水お飲こと多( ○○○○○○) にあたわず、但腿腫て脚先づ痩せ、 陰痿( おんなえ) 溺くして、小便数き者は消腎なり、〈○中略〉
三消渇
消渇は渇こと多して、而小便お利する也、内消は熱中に依て作す所なり、小便飲する物よりも多く、食物皆消て小便となれども、渇かわかず、人おして虚極て気短からしむ、強中者、 茎( くき) 長くなりて興盛にして、交ざるに 精液( ゆはりしる) 自と出る也、是お三消渇と雲なり、