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梅園日記

送疫鬼( ○○○)
日次紀事雲、凡疫癘、春初多流行、〈○中略〉而唐土造紙船之類乎、按ずるに、紙船の事は、閩書〈風俗志〉雲、正月上元十三四五日、各里造紙船送瘟鬼、〈○中略〉東海談雲、享保十八年七月上旬より、東都大に疫癘はやり、上下貴賤、みな此気に中りて病す、十三日十四日の比は、大路の往来もたえ〴〵なり、是は医書にいはゆる天行時疫といふ者歟、邑里ともに、藁にて疫神の形お造り、かね太鼓おならして、是お南海へ流しぬなどあり、これ今もなほするわざなり、