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塩尻
四十六
近世るうだといふ草お、疫疾流行の時、身に帯疫気お避とて、家に植侍る、〈或はあるは草ともいふ〉凡蛮語物の臭気あるおるうだと雲、此草香あしき故、阿蘭陀人るうだといふ、〈是に不限どくだみなんどのごとき臭〉〈気あるお、皆るうだといふとかや、〉我国久しき呪にて門戸に葱狐の類お懸け侍るも同じ意にや、凡蒜お以て瘴気お祓ふ事、古事記〈巻の中景行記の条に〉出、日本武尊、足柄山の山神お圧し給ひし故事より起りしと雲々、〈賢按、今俗りうだ草といふ、一名蓍婆草ともいふ、〉
○按ずるに、疫神の事は、神祇部神祇総載篇に在り、参看すべし、