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叢桂亭医事小言


府下八九年追年て瘧多く、完政三四年、寒暑の分もなく、四季共に多く、頒白以上赤子にも瘧あり、赤子は思の外に困せず、小児も順じく軽く、中年以上の人のうい瘧には或は絶粒食、疲弊して起居外候ともに危篤になる人多く見ゆれども、必死に不至、病因考に、瘧痢同因と論じて有お、とくと按ずるに、痢は裏に入る故に死に至り、瘧は表に病む故死せずと見ゆ、