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時還読我書

交政辛巳〈〇四年〉の二月中旬より、都下 感冒流行( ○○○○) し、闔家こと〴〵く枕に就に至れり、西国にては去冬より行れて、邪気盛にして久解せざるものありと、関東は其証初起は稍劇く、加進すべき勢なれども、〈○中略〉然ま、余邪留連する者あり、動すれば吐衄血おなすもの多かりし、蓋近年感冒の流行病者の火きこと、是歳の如きは曾て見及ざるほどのことなりき、