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類聚名物考
病痾二
痢病
此病名につきて故よし有る事なり、内経にては 腸辟( うちへき) といひしお、仲景は下痢といへり、是今の痢病にて有るべしといへども、符合せざる所あり、しからばその比まではあまり多からぬ病と見ゆ、漢の末比より世に多く有るやらん、療治薬方もさま〴〵あれども、寄がたき所あり、本朝には此病多く有りしやらん却てよく療治も仕覚えしとしられ元り、道三の製せし九昧和中湯其験あり、または丹水翁の逆挽湯もよし、