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嘉永明治年間録

安政五年八月廿七日、 暴瀉病( ○○○) 流行に就き、療治の方お達す、
此日暴瀉病療治触達有之と雖ども、其療治方援に洩る、暴瀉病七月下旬より天下普く流行、阿蘭陀国にてはこれらと雲よし、両三度も暴瀉すれば更に治し難し、故に是おころり病と通言する也、八月中、江戸中町屋計り病死人一万二千五百九十三人と雲ふ、全流行始終七月廿日頃より九月十日頃迄、凡五十日の間、武家及寺院町方等人別書上に洩れし者共大概差加へ、凡三万人程の死亡と雲、