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時還読我書

丁亥〈○文政十年〉の春、羽州庄内に 一種の疫( ○○○○) あり、其証恰も脱疽の如く、足指黒腫して腐脱す、或は一指或は二指三指に及ぶ、必斫断して愈たり、甚きは踝骨上まで及すものありき、亦これお斫て死するものは一人もなかりきと、又いかなることにか、蒼蠅お擦傅して効お得たりしこともありと、其藩の大山侗甫の話なり、青腿牙疳の類にもあるべきか、