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栄花物語
七とりべ野
八月〈○長保四年〉廿よ日にきけば、淑景舎女御〈○後朱雀皇后嫄子〉うせ給ぬとのゝしる、あないみじ、こはいかなることにか、さることもよにあらじ、日比なやみ給とも聞えざりつる物おなど、おぼつかながる人々おほかるに、まことなりけり、御はなくちより、 ちあえさせ給( ○○○○○○) て、たゞにはかにうせ給へる也といふ、あさましいみじとはよのつねなり、