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塵塚談

味噌直し草、又狐のびんざヽらともいふ、江戸巣鴨村雑司け谷辺に多くあり、一両年已前なるべし、堀田侯の乳母 水腫病( ○○○) にて、田舎へ保養に行けるに、右の草お以ておほひとせし味噌汁お、薬になるとも知ずして、数度給けり、右草が薬に成しにや、全快せしとなり、夫よりして、江戸の医者水腫に奇効有と沙汰し、近比の流行薬となれり、官医専ら用る事なり、