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宣草小言

白石東雅総論に、梵語お取て、此語となせしとある中に、癩疾の人お かはらもの( ○○○○○) といふは、迦摩羅也、翻して癩病といふとみえたり、されど是は京師の乞食非人は皆鴨川の河原に居る故に、人呼でかはらものと雲るなるべし、又 あなばた( ○○○○) と雲は、阿耨波陀也、翻して不生といふとみえたりと、是もあなばたとは穴端なるべし、葬穴に近きお雲ならん、是等恐くは牽強に近かるべし、先生の博洽なるも、三思の失あるに似たるものあるか、