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栄花物語
二花山
七月〈○永観二年〉すまひもちかくなれば、これおわか宮〈○一条〉にみせばやとの給はすれど、おとゞ〈○藤原兼家〉すこしふさはぬさまにてすごさせ給に、たび〳〵おとゞ参らせ給へと、うちよりめしあれど、みだり かぜ( ○○) など、さま〴〵の御さはりどもお申させたまひつゝ、まいらせ給はぬお、すまひちかくなりて、しきりにまいらせたまへとあれば、まいりたまへれば、いとこまやかに御物語有て、くらいにつきてことし十六年になりぬ、