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栄花物語
二十三駒競
たゞこの法花経に、結縁のこゝろざしのふかくてなん、このきぬは風病のおもさになさけなくしあつめて侍るお、わかちたてまつるなりとの給はせて、くばらせ給へる僧達、いみじうかしこまりて申給、年比おほやけわたくしのさるべきおり参りつかうまつるに、此たびの御ふせの様にめでたきことはなんまたみ給へざりつる、年ごろの 風病( ○○) ことはり申てまかりぬべかめりと申給ぞ、中にも〳〵このおびこそいみじき物にて侍べかめれなど、くち〴〵かひありて申給、