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俗説正誤夜光珠

窖の毒( ○○○) に中る説
世上に、窖の毒気に中りて、人の損すること、度々ある事なり、心得べし、是地中の陰毒なり、久しく開かざる窖、また湿気こもる所など、夏秋の比は、殊更に用心すべし、本草綱目に、夏月は陰気下にあり、入るべからず、毒ありて人お殺すとあり、草木子等にも此事見えたり、近くは広益俗説弁に輟耕録お引て、古井に毒あることお記せり、其法に同じければ、こゝに略す、又其毒に中りたる者は、急に引あげて、蘇香円お用ゆべし、猶治法あり、