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病名彙解

臍風〈并〉 撮口( さつこう) 臍風( ○○) と 撮口( ○○) と二つに分て、二病に見たる説あり、又臍の緒お切とき、臍より風お引、胞の熱となり、口中に泡の如くなるものお生じて、口お撮上たるやうにして、乳お飲ざる故に、臍風より撮口の証生ずれば.、一病となしたる説もあり、入門二雲、撮口風は、面目黄赤く、気喘して諦声出ず、胎熱毒お心脾に流すときは、舌強り、唇青く、口お撮、面お聚め、乳お飲に妨げあり、初生七日此お患るものあらば急に児の歯齦お看べし、小胞あり、粟米の状の如し、急に青軟布お以て手指おつヽみ、温水に蘸し、軽々に擦破る、即口お開て便安し、服薬お用ひず、臍風は臍お断に因て後〓、乳、水、温、風、冷、臍に入るがために、心脾に流て致す所なり、其症臍腫突て腹脹満するなり、寿世保元に雲、臍風は多く臍お断に因て風温の夕めに乗ぜられ、或は胎もと熱毒あるときは、児胎お下るの時、其臍おみれば、必ず硬直なり、定て臍風あり、必ず臍より発す、青一道お出して行て肚に至る、却て両叉お生じ、行て心に至るものは必ず死す、撮口は、胎気熱お挟み、風邪臍に入、毒お心脾の経に流す、故に舌強り、唇青、口お聚て諦声出ざらしむるなり、〈按るに、此等の説に病に分つものなり、〉
医統にも、亦二病とせり、丹台、玉案に雲、臍風撮口は総て一病とす、いまだ臍風にして撮口あらざることはあらじ、未撮口にして臍風あらざることあらじと雲り、