兵範記

仁平三年十二月十三日丁卯、今日依吉日三位中将殿〈○藤原基実、時年十一、〉封戸、可召覧民部省、仍著衣冠参烏丸殿、此間民部省官人光兼持、参省符四枚、〈入筥〉予〈○平信範〉取之持参御曹司方覧中将殿、筥返給官人了、寛治天永天承不見給禄之儀、仍今日不給禄也、次持参九条殿覧殿下、亦返給之後下給下家司成親、来十七日又依吉日以出納可付件国々、可召進雑掌請文之由下知了、
御封省符、先例当時入道殿〈○藤原忠実〉寛治五年令叙正三位給之後被請之、殿下、〈○藤原忠通〉天永元年又 正三位之後令請給、依彼両度例令正三位之後所請給也、
去正月令叙正三位給之後、以太政官叙符送民部省、民部省以其符覧卿宗輔、依卿宣省官尋問給、 巻可成之日次、於陰陽寮其勘文之後、省官参会令成給巻了、以本省丞令内覧奏聞、奏聞了省官付 外記、外記内文請印之後、返送省官、省官依申事由本家家司、〈下官〉予申殿下尋問、〈今夕〉昨日下知省 官、今日令持参也、
民部省符 美作国司 応給正三位藤原朝臣基実位封二十三烟事
右被太政官今年正月八日符称、今日下中務省符称、得彼省解称、叙位申送者、応給封戸、具状、謹以奏聞、奉勅依奏者、
国宜承知依宣行之、符到奉行、
権大輔正五位下藤原朝臣〈在判〉 正六位上行少録中原朝臣〈判〉
仁平三年二月十日
民部省符 周防国司
応給正三位藤原朝臣基実位封二十伍烟封丁一人事
右被太政官今年〃ー〃ー〃ーヽ
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民部省符 加賀国司
応給正三位〃〃〃〃二十伍烟封丁一人事
右〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃
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民部省符 美濃国司
応給正三位〃〃〃〃二十五烟封丁一人事
右〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃
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已上四通、白紙、省符有請印、十七日辛未、今朝下家司親兼、成封戸催牒持来、先例初度不成催牒、先以本符付件国々、被召雑掌請文、不可副催牒、追而付此催牒之由、仰含親兼加判返給了、是任先人令注置跡所下知也、
○按ずるに、正三位の封戸、令条に載する所一百卅戸とす、而して此に九拾八戸とするは、後世改定する所の数にて、恰も拾芥抄載する所の封数に合せり、