[p.0074]
神皇正統記
後醍醐
抑彼高氏、公家にまいりし其功はまことにしかるべし、すヾろに寵幸ありて抽賞せられしかば、ひとへに頼朝卿天下おしづめしまヽの心ざしにのみ成にけるにや、いつしか越階して四位に叙し、左兵衛督に任ず、拝賀のさきにやがて従三位して、程なく参議従二位までにのぼりぬ、三け国の吏務守護、及びあまの郡庄お給はる、