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女王禄は、わうろくと呼びて、白馬節会、新嘗会の翌日、紫宸殿の庭上に於て女王に絹布、綿等の禄物お賜ふお謂ふ、延喜の頃までは、天皇皇后出御ありしが、後には其事なし、其日禄お賜ふ次序は長幼に依らず、其祖の世次二従ふなり、而して中世に至りては、賜禄に預る女王の員お定て二百六十二人とせり、要するに女王に禄お賜ふは、男王に時服お賜ふが如し、