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官職難儀
准三后とは、太皇太后宮、皇太后宮、皇后宮の三に准ずる事なり、后の宮にて有お、男又法中になさるヽ事、道理に協はぬ様なれど、貞観十三年に、忠仁公、准三后年官、年爵、封戸等お賜はらる、是は官爵封戸お給らん為なり、年官年爵とは春除目に諸国の掾一人、目一人、秋除目に内官お給、叙位に叙爵お一人給る也、給おば誰にても申任じ給ふ事なり、又法中に成給ふは、光明峯寺関白の御息、御室法助と申せしに、御母儀政所准后にてわたり給ひしお、譲申されたるより此かた、例となりて皆成給ふなり、三后とも三宮ともいづれへも申なり、同事也、准后とは中略したる事也、