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准后准三宮考
武臣准后の始
太政大臣従一位平清盛入道〈浄海〉
此人は、八十一代安徳天皇の御外祖なりければ、安徳御即位ありし治承四年二月、浄海夫婦共に准三后お宣旨せらる、是武臣准三后の始めなるべし、されど消遥院殿の御記には、鹿苑院〈○足利義満〉毎事の様、摂家昇進の如くなる故に、始めて此宣お蒙らしめ玉ひしよしお注せられたり、心得られす、但浄海のことは、其例の始のよからぬ事なれば、斯くの玉ひしにや、若くは又武家の代となりて、准三后の始、鹿苑院殿に起れりとのことにや、