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栄花物語
十二/玉の村菊
同じ月〈○寛仁元年三月〉の十七日、大殿〈○藤原道長〉摂政お内大臣殿〈○藤原頼通〉に譲りきこえさせ給、〈○中略〉われはたヾいま御つかさもなき定〈○定原作みや、拠一本改、〉にておはしますなれど、御くらいはとの〈○藤原道長〉もうへ〈○道長妻倫子〉も准三宮におはしませば、〈○長和五年六月、准三宮、〉世にめでたき御ありさまどもなり、とのヽ御まへの御さいはひは、さらにもきこえさせぬに、うへのおまへかく后とひとしくて、よろづのつかさかうぶりおえさせ給などして、としごろのにようばうはみなかうぶりえ、あるは三位四いになるもあり、さま〴〵いとめでたくおはします、