返納米定書

覚
春借米にても、夏借米にても、請取候以後は、何月相果候共不及返納候、跡目有之候も、跡目潰候も同前之事、
一父子共に御切米取候て、春借米にても、親子共受取候後父相果、子に跡式被仰付候上、子之御借 米受取候分は不及返納、冬御切米より、子之分上り候、父地方にて取来候分も同前之事、
一父子共に御切米取に而、春にても夏にても、御借米不請取候処、親相果、七月子に跡式被仰付候 上、父之御借米不請取分は、跡目巳後にても不請取、冬御切米より、父之分お可被下は勿論、子之 受取候夏借米不及返納候、但子無足にても、跡目被仰付候上は父之不請取分之御切米可被下 候事、
一七月朔日以後相果候者、跡式被仰付候上、父之冬御切米請取可申候、且又跡式無之者、冬御切米 不請取前に相果候はヾ被下間敷候、御切米請取巳後相果候はヾ不及返納候、地方取に而跡式 潰候もの、何月相果候とも、物成収納候分は被下、不請取物成は被下間敷事、
一夏御借米巳後、何月にても父相果、地方にても、御切米にても、跡式被仰付候迄は、子之冬御切米 不請取、被仰付候上にて父之分お可受取、但父子共に請取已後、父子之内、相果候はヾ、不及返納 候事、
付父地方、子御切米にて、年内又は正月二月之内父相果、跡目之義願上候ば、父之春御借米請 取申間敷候、春御借米已後、父相果候はヾ、夏御借米請取申間敷候、但春にても夏にても、御借 米受取以後、父相果候はヾ、返納に不及事、
一父子同御切米高歟、又父より子之高増候而、跡目願無之候ば、子之知行、御切米有来通り受取之、 父之不請取分、何月相果候共、上り候事、〈○中略〉
右御切米、御扶持方、上知、自来午年、可為書面之通者なり、
元禄二年巳九月