徳川禁令考

十九/旅中制規

元治元甲子年十一月廿四日
遠国出役の者手当金、〈並〉扶持方給与の儀に付達、
諸役人其外遠国〈江〉為御用被差遣候節被下物之儀、今度御改革相成、以来布衣以上、御目見以上之面々〈江〉者、御合力米宿代は不被下、御手当銀、〈並〉旅御扶持方可被下、御目見以下之もの〈江〉者、賄道具雑用金、宿代は不被下、是又御手当金、〈並〉旅御扶持方可被下候、猶いづれも御手当金銀者、六け月以上相掛り候御用之節者、右当りお以、月割に〈而〉可被下、程近之場所、日数少之御用柄、又者御軍艦等に〈而〉罷越候節は、御用柄に不拘、日当御手当可被下、猶日数三十日以上に相成候節は、夫々員数減候〈而〉可被下、且又関内御用之分者、向後御暇拝領物者被仰付間敷候、〈○中略〉
慶応元乙丑年閏五月十四日
旅費請取過の分、返納の儀に付達、
覚
諸向遠国御用被仰付候面々〈江〉、月割日当等お以被下候御手当、〈並〉旅御扶持方、其余江戸表に〈而〉、臨時御用相勤、野扶持等被下候面々、最初見込お以請取、御用済之上、請取過相成候分も有之候処、右者早速返納可致筈之処、兎角等閑置向も有之、其余取越米等、兼而年賦返納等に被仰付候分、是又返納等閑置もの有之哉に相聞、如何之事に候間、向後遠国〈並〉江戸御用共、御用済之上、請取過有之面々者、其訳巨細相認、猶遠国御用之分は、出立帰府日限等書加、返納方早々相伺候様可被致候、右之趣、向々〈江〉可被相触候事、
慶応元乙丑年十一月十六日
遠国出役の者、格式に不拘、役名にて手当金其外給与之旨達、
諸役人、江戸遠国御用相勤候節、御手当金御扶持方人馬等、格式之ものは右廉に而増被下候処、向後格式に不拘、都〈而〉御役名之廉に〈而〉御手当金其外共可被下、猶遠国御用之節、御暇拝領物之儀者格式之廉に〈而〉可被下候間、可被得其意候、
右之趣、向々〈江〉可被達候事、