[p.0007]
四条流庖丁書
一美物(びぶつ)上下之事、上は海の物、中は河の物、下は山の物、但定りて雉足事也、河の物お中に致たれども、鯉に上おする魚なし、作去鯨は鯉よりも先に出しても不苦、其外は鯉お上て可置也、鮒又はざこ以下の河魚には、海の物下おすべからず、作去〓(にし)などは、竜足在時は、少は其心得有之べし、山の物下と定たれども、鷹の鳥には如何なる白鳥成とも、上おすべからず、雉の鳥に必可限、何にても鷹の取たる鳥おば、賞玩勝たるべし、鷹の鳥お人に参らする時には、焼物より外にすべからず、余の御肴に組付る事すべからず、一種たちにて可参、鷹の鳥にては、白鳥の事一種たちにて可参、鯨も同前也、如何なれば、似相たる物まれ成故組付にはすべからずと雲々、