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物類称呼
四衣食
昼食 畿内にておこゞ(○○○)といふ、南都にてけんずい(○○○○)といふ、今按に、東国の農家にて、午未の刻の間に食事為お、こぢうはん(○○○○○)と雲、或村老の雲、昼食おこぢうはんとなづくるは、午時(こじ)半と雲意なりとぞ、予おもふに、農民は形お労する事はなはだしければ、日の長きころは、ふたゝびも食すべし、再びめの昼食なるが故に小昼飯なるべしや、駿河国にて、やうびるい(○○○○○)と雲は、夕昼飯の転語にや、土佐の国にて、こびるま(○○○○)といふ、是におなじ、土州にては、昼食おひるまといひ、〈ひるまなり〉夜食およいと雲、〈夜飯なり〉上総下総にてこうだいごろ(○○○○○○)と雲は、是は昼飯おいふ、〈こうだいとは、汁椀おいふなり、〉