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醒睡笑

一延暦寺にて、下法師山へ行く時、児にいふ、昼の飯(○○○)おば棚に置きたり、九つなりてあらばまいれと教へぬ、彼下僧案の外、常より早く昼以前にしまひてかへり見れば、児の飯なし、是は不審やと問ふ、とく早くふたと、返事せらるゝ、いまだ九つはならず、いかでかと申せば、いやけさ五つ、さきに四つうちたれば、九つなつたほどにそれにくふたはと、