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嬉遊笑覧
十上飲食
著聞集に、左京大夫顕輔卿のもとへ、或人ことおしておくりたりけるに、桜花かざしなどしたりけるお、僧どもおほらかにくらひける雲々とあり、此のことゝ雲は、僧の夜食なり、無住が雑談集〈三〉に、〈○中略〉法師原坂本へ下りぬれば、夕方寄合て事と名づけて、我々世事して食すと雲りとあり、世上の俗は、三度して夕食あれば、これお世事と雲にや、事とは世字お省きて雲るなるべし、