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浪花雑誌街乃噂

それよりもまだ江戸にないことがありやす、春から夏へかけて日の長い時分になりやすと、昼飯から夜食の間に、又飯お一度喰ひやす、是お八つ茶(○○○)とも小昼(○○)ともいひやす、京都にてはけんずい(○○○○)といひやす、万松、始めて承りやした、小昼も八つ茶もわかりやすが、けんずいといふは、どふいふ訣でありや正、鶴人、鐘成さんの説に、けんずいは文字で書には、間炊と書がよかろうといはれやしたが、至極面白ふおぼえやす、千長、なるほど昼飯と夜食の間にくふのでありやすから、間に炊の字は面白肱りやす、