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塩尻
三十五
或曰、我尾敬公〈○徳川義直〉御狩の時、鹿お御家人に賜ふ、鹿食の穢三日也と仰られし如何、予〈○天野信景〉曰、公の御博識当時誰か其右に出ん、是お考ふるに、延喜式曰、凡触穢雲々、六畜喫肉三日雲々、法曹至要抄にも亦曰、喫鹿の穢三日といへり、是私家の事に非ず、古へは天子元三の御膳にも獣肉お奉りし事、江家次第等に見へたり、其儀お用ひ給ひしにや、