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奉公覚悟之事
一鷹の鳥くひやう、先たかの鳥とはきじ也、勿論やきとりたるべし、木具のおしきにかいしき色々、秋冬春にかはる事も在之、但南天のはゝ四季に用る也、鳥おばさくといふ也、はやもりやうにて鷹の鳥と知事あり、先かひ口お一きれにても上におく也、又は当時たかの鳥と功者申候がよきと也、さてはしお取おしきおとり上ていたゞき、はし持ながらつまみてくふべし、先台共にいたゞきて、又つまみたるおばいたゞき候はずともくふべき也、過分の心得有べし、老者などは声お出て感ずる也、又若き人は、先ほねおかり〳〵とくふたるが可然と也、二三も後ははしにて下にもおきくふべきと也、やうだいによるべし、主人貴人の御鷹之鳥、又其御前等之事は、一段うやまひ可申也、一同鶴雁鴨青鷺之事は、すひ物にこしらへ可出なり、是はかはらけお取上いたゞくべし、はしにてくふべし、先汁おすふ事は如何、後にはすふべき也、