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倭訓栞
前編四十五於
おにぐひ 鬼喰の義成べし、伊勢物語に、鬼一口に喰てけりといへるより、先一口喰おもていふ成べし、瓜に礼とするは、礼玉藻に、瓜祭上環といへる是也、注に上環横切之、円如環也とみゆ、おにとり 鬼取の義、鬼喰に同じ、秦時尚食お置て膳お進るに、先嘗る事お掌ると見ゆ、本朝の内膳の職是也といへり、鬼といふは浮屠家の生飯(さば)より出たる詞にや、さばの下、考ふべし、