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空穂物語
吹上之上
吹上の宮につきたまへれば、西のぢんおひらきていらせ給、日さるのときばかりにおはしまして、めでたくみがきしつらへる所に、みなつきなみ給ぬ、いとになきところなりけり、いかでかくてすむらんと御らんず、いぎのおもの(○○○○○○)はさらにもいはず、かんたちめみこたちぢんしたんのついがさねして、海山のものつくしてまいり、六位のえふ諸大夫しな〴〵にいかめしくて、あるじしたり、