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倭訓栞
前編十一志
しやうじん 野菜海草の類お精進物といふは、古き語也、朝野群載御斎会加供解文に、精進物と出し、青苔曳干、和布曳干、海松、昆布など見えたり、酷食といふも、精進の事也、精進落は、西土にいふ開斎也、又開葷といふ、杜詩に、多年病酒開硯滴とある、開の字義に同じ、精進の語は、もと美食せざるおいへり、今魚肉お食ざる事とするは、仏氏の意也、