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精進魚類物語
納豆太その儀ならば、精進の物(○○○○)共促せとて、塩屋といふものおもつて、先身ぢかくしたしきものなれば、すり豆腐権守につげけり、道徳といふ物、みそかにはせめぐりて催けり、先六孫王よりこのかた、まむぢう素麺おはじめとして、蒟蒻兵衛酸吉、午房左衛門長吉、大根太郎、苣次郎、蓮根近江守、大角山城守、渡辺党には、園豆武者重成、茗荷小太郎、莇角戸三郎いらたか、笋左衛門節重、納豆太郎糸重、甥の唐醤太郎、同次郎、味噌近冬、菰新左衛門、独活兵衛尉、蕗源太苦吉、蕎麦大隅守、薯蕷藤九郎、芋頭太宮司、煎大豆〓太郎、こたうふの権介、実莘新左衛門、河骨太郎秋吉昆布大夫、荒和布新介、青海苔、昆布、苔、鶏冠、雲苔太郎、山葵源太、菰五色太郎、松〓壱岐守、〈○中略〉熊野侍には、柚皮庄司、糂太左衛門、青蔓の三郎常吉お始として、以上其勢五千余騎、久かたや雲の梯引おとし、分取高名我も我もとおもはれける、