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長崎紀行
十五日〈○明和四年十月〉菊左衛門〈○長崎桜町名主〉宅にて、夜食に唐様の卓子(しつほく)といふ饌部お出す、給仕のものに指南せられて箸お取、一案に六人づヽ囲み坐て食す、但飯椀計り面々にて、羹菜は寄合なり、卓子図〈○図略〉案のさしわたし弐尺四五寸酒食ひ初ると間もなく出る大鉢、素麺、鯛、せん卵、木茸、葱、大鉢は替らず、どんぶりは皆かはる、