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料理通大全
四編
自序〈○中略〉唐料理普茶卓子の部に及びて、暫く筆おさしおき、兼て長崎に下り、其宗お極めん事お思ひ立、往る辰〈○天保三年〉の春上方に登り、南禅寺東福寺は更なり、宇治の黄檗山、波華の瑞竜寺、一心寺など、普茶ある毎にいたらざる処なく、既に長崎に下らんとする比、浪華に在て、彼地の普茶料理の達人何某の老僧に面会せしに、僕が此道に執心なるお悦び、再三再四普茶によばれて、倶に其仕様おきけり、〈○中略〉 江戸 八百善主人