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今川大双紙

食物之式法の事一しきの御肴にはじかみ梅干塩などおすへ、 きに入てまいらする事は、自然物おきこしめす時、むせ給ふ事有、酒にも飯にもむするは大事也、梅干おみれば口の内につの出来て、物にむせぬ也、塩も箸の前に付て少なむれば、物にむせぬ也、又はじかみは、物のあらぢはいおよくする物也、きこしめす時あぢはいわろき時は、入てきこしめせばよきとの心也、又塩もきこしめす物に不足ならば、入てきこしめせとの義也、