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三省録
二飲食
水府家士雨宮又右衛門語りけるは、むかし仙台侯の御茶の水堀割の時、義公より御尋として贈り給ふ品重二重なり、一重は芋の煮ころばし、一重は黄粉むすびの御見舞なりと、六拾万石余の諸侯三拾万石余の御方よりの音物贈答、かゝるおもむき、今お以見れば実とはなしがたくおもふなり、