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続世継
九いのるしるし
禅林寺の僧正〈○深覚〉ときこえ給けるが、宇冶のおほきおとゞ〈○藤原頼通〉にやおはしけん、時の関白のもとに、消息たてまつりて、法蔵のやぶれて侍、修理して給はらむと侍りければ、〈○中略〉こはいかに、さはいかにすべきぞなどおほせられければ、としおひたる女房の、あれは御はらのそこなはせ給へるお、みのりのくらとは侍ものおと申ければ、さもいはれたること、さもあらんとて、まなの御あはせ(○○○○○○○)どもとゝのへて、たてまつり給へりければ、材木給はりて、やぶれたる法蔵つくろひ侍りぬとぞきこえ給ける、