[p.0162]
空穂物語
蔵開上二
中納言れいよりみ奉らぬ人もおはしまさずなどの給へば、だいばん所よりまいるおとな四人、わらは四人、おとなはあかいろのからぎぬ、あやのすりもあやかいねりのうちぎきたり、かたちきよげにらう〳〵しき人、五位ばかりのむすめどもなり、わらはもあか色の五へがさねのうへのきぬ、ろうのうへのはかまあやかいねりのあこめ、みえがさねのはかまきたり、かみたけにあまり、すがたおかしげなり、かくて御しる物、御みきたび〳〵まいりぬ、