[p.0172][p.0173]
四条流庖丁書
一かきこだヽみの事、此冷汁、当世あえ給様当流に相違也、是おも口伝おば不知して推量成に依て、如此の事なる哉、先なまこお能ほどに作りて、酒にてそと色おとるべし、同かきおも酒にて色おとりて、蠣おば能たヽきて、さて山葵辛みにて、辛みには山葵可入、しほ酒よき、若山葵なくば、辛みには何にても可入、若蠣なくなまこ計にてあらば、こたヾみと雲也、蠣なき時人の了簡に蛤お〈○お下恐有脱字〉事非本儀、