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料理物語

鯉のいいり汁は まづいおとう、いとほそわたおよくたゝき、なべに入、きつね色にいりて、かすおとり、酒にてもだしにてもなべおながしすて、後だしお入煮申候、こいは三枚におろし、うろこともにきり入候、夏はうろこ入事あしく候、口伝在之、しほかげん大事也、又いおすりてさけにてのべ別に置、にがみのかげんすい合出す流も在之、〈五左伝〉同鯉みそ汁にては鮒のごとく仕立候、