[p.0177]
大草家料理書
一雉の青がちの事、如常別候て作り、酒おかけず候、則わたお念お入すごき、能々たたき候也、其後鍋にて塩お煎候て、其跡に右のわたおかうばしく成程煎候て、すましの汁お入、則煎出おも入、煮たて候時鳥お入候也、こには夏菜うどなすび豆腐、何も時の物お酒にて煎候て、汁もり候時少つヽ入候て、上汁おかくるなり、但酒塩は古酒一段上々也、吸口には胡椒柚など能候、塩は右の煎塩お鳥入ざる先に入候て、能加減の時鳥お入候也、一野鶏はすまし味噌能也、但山のいも、あまのり、うど、つく〳〵し、右の間など能也、但ふくさみその時には、いもがらも吉、鳥には酒塩おかけずして能也、又焼鳥には一通かけて吉、焼鳥おけし胡椒山椒などお加へてもする事有之也、